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企業インタビュー

株式会社ヒューマンテクノロジーズ

デジタルを活用し、短期間で上場ガバナンス・内部監査体制を構築

株式会社ヒューマンテクノロジーズ(東証グロース上場)

取締役 篠田 修様(公認会計士/税理士)

株式会社ヒューマンテクノロジーズは、市場シェアNo.1を誇る勤怠管理システム「KING OF TIME」をはじめとしたクラウドサービスの開発及び提供を行っています。2021年から上場に向けたガバナンス体制の強化に取り組み、その一環として、デジタルを活用した内部監査体制の立ち上げを行いました。一連の取り組みの経緯について、同社の取締役 篠田 修様に詳しく伺いました。

SaaS業界の先駆けとなった勤怠管理システム「KING OF TIME」

―御社は市場シェアNo.1を誇る勤怠管理システム「KING OF TIME」をはじめとしたクラウドサービスの開発及び提供を行う企業ですね。

篠田様 はい。当社は、現在社員数約300名で基幹サービスである勤怠管理から人事労務、給与計算までを一貫したサービスの開発と提供を行っています。「KING OF TIME」は、既に5万社を超える企業に導入いただいている勤怠管理サービスですが、このシステムはSaaSやクラウドという言葉が一般化する前の2003年からサービス提供しています。

サービスインから20年を超える歴史の中で、日々検証を行い、顧客の声をもとに改良を続けた「KING OF TIME」は、豊富な機能と使いやすさを実現しています。初期費用0円、1ユーザIDあたり300円のワンプライスというわかりやすい価格で、勤怠管理のみならず人事労務管理を経由して給与連携なども行え、企業の労務コストやリスクの大幅削減に貢献しています。

 

SaaS業界は、自社サービスをインターネット経由で直販するのが一般的ですが、「KING OF TIME」は代理店やOEMなどの複数のセールスチャネルを持ち、企業規模や業種に関わらず幅広い顧客層にリーチしている点も特徴です。

短期間でガバナンス体制の構築・強化に成功し、2023年に上場

―2023年には上場へと歩みを進めましたよね。

篠田様 はい。2023年末、東京証券取引所グロース市場に新規上場しました。上場を目指すにあたっては、早い段階から様々な分野でDXに取り組み、デジタルを活用した業務プロセスの改善に加え、全社的にプロジェクト制に移行するなどして組織、企業文化、風土改革に取り組みました。

―御社の高い有給取得率をはじめとした働き方の改善もDXの成果といえるのでしょうか?

篠田様 そうですね。DX化が浸透しているお陰でリモートワーク比率が86%、地方居住者比率が29%、女性比率が45%、男性の育休取得率が75%、産休復帰率が100%、有給消化率が85%など、働きやすい職場を実現できていると思います。

この数字は上場を意識した結果ではなく、何年も前から少しずつ積み上げてきた数字です。やはり勤怠管理システムがメイン事業の会社なので、自然とよりよいものにしていくという流れができやすかったのだと思います。

―上場に向けて社内のガバナンスの構築・強化にあたっては、どのようなご苦労がありましたか?

篠田様 2021年9月にIPOプロジェクトを立ち上げた当初は、管理系の人員は数名で、決算は記帳代行という状況でしたので、まずはキーマンを採用するところからのスタートでしたね。

結果として計画どおりのスケジュールで上場できましたが、これには、業績が堅調であったことに加え、最初に経理・財務をしっかりと固めたうえで、内部監査機能とリーガル機能の2つを並行して進め、段階的に補強できたことが大きかったと考えています。

デジタルを活用した内部監査のアウトソーシング

―なぜ内部監査をアウトソーシングしようと考えたのですか?

篠田様 私は過去に内部監査の立ち上げ方法として部門間で相互に監査する「ピア監査」のアプローチを採用したことがあります。しかし、現場の社員が内部監査のノウハウを習得した上、外部へ説明するレベルに至るにはどうしても時間がかかることがわかりました。その経験もあって、当社では内部監査の専門家にアウトソーシングをすることにしました。

篠田様 そうですね。委託先の選定にあたっては、デジタルへの対応力の高さも重視していました。結果としてフロンティアを選定するに至ったのは、ITシステム・セキュリティの分野に関する専門性の高さや、選定の過程で経営における内部監査の活用目線が一致する感覚があったからです。

 

また、ご存じの通り、内部監査はドキュメントが膨大となりやすく、紙での管理は非効率で抜け漏れも発生しやすくなります。そのためにも「NAIKAN」を導入してDXを進めることが当社の方針とも合致すると考えました。結果として、狙い通りの内部監査体制を構築できたと感じています。

―実際に内部監査をアウトソーシングしていかがでしたか?

証券取引所・主幹事証券からの高い期待水準への対応

―証券取引所や主幹事証券から期待水準はいかがでしたか?

篠田様 近年の証券取引所や主幹事証券からのコーポレートガバナンスや内部監査への期待水準は高くなっています。審査の過程では、内部監査が機能し、PDCAがきちんと回っていることを、説明力を持って提示できるかどうかが一番のポイントになります。この点は、フロンティアへの内部監査のアウトソースや「NAIKAN」によるデジタル化などによって、大変スムーズに対応できたと感じています。

 

上場企業としてのガバナンスの構築・強化にあたっては、有効なリスクマネジメント活動が求められます。当社にはリスク・コンプライアンス管理委員会があり、全社的なリスクマネジメントを行っていますが、これに加え内部監査が独立的・客観的な観点からリスクアセスメントを行うなど、充実したリスクアプローチを実現しています。また、実際の内部監査では、フロンティアからITシステム・セキュリティ、個人情報といった分野でかなり深く切り込んだ指摘をしていただきました。この点は審査していただく方の心証形成に良い影響を与えたと思います。

上場企業としてのガバナンス体制の維持、そして継続的な高度化へ

―今後、上場企業としてのガバナンス強化についてどのようにお考えですか?

篠田様 上場後は、これまでに構築したガバナンス体制を実態を伴った形で確実に運用していくことが大切です。当社は各分野の専門家を社外役員として招き、多様性のある取締役会を実現しています。また、リスク・コンプライアンス管理委員会や任意の指名・報酬委員会を設置し、ガバナンスを強化しています。さらに、会計監査・監査役監査・内部監査の連携による三様監査を通じ、監査の高度化・効率化にも取り組んでいます。今後も勤怠管理分野における業界シェアNo.1の上場企業に相応しい、有効なガバナンスの維持・強化に取り組んでいきたいと思います。

インタビュー時期:2024年3月
文中の会社名・役職等は取材当時のものです。

会社名称 株式会社ヒューマンテクノロジーズ(東証グロース上場)
事業内容 勤怠管理を中心としたクラウドサービスの開発及び提供。「KING OF TIME」 が主力サービス。勤怠管理サービス分野で 市場シェアトップ。
https://www.h-t.co.jp/(コーポレートサイト)
https://www.kingoftime.jp/(クラウド勤怠管理システムKING OF TIME公式サイト)

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